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アレルギー症状の原因と対処法:知っておきたい基礎知識
アレルギー症状の原因と対処法:知っておきたい基礎知識

はじめに:アレルギーとは?

アレルギーは、体の免疫システムが特定の物質(アレルゲン)に対して過剰に反応し、不快な症状を引き起こす状態を指します。日本では、花粉症や食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など、さまざまな種類のアレルギーが一般的です。本記事では、アレルギーの代表的な症状や原因、そして日常生活でできる対処法を詳しく解説します。




アレルギーの代表的な症状

1. 鼻・喉の症状

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉のかゆみ
原因となるアレルゲン:花粉、ダニ、ハウスダスト
具体例:花粉症(アレルギー性鼻炎)は、日本人の約4割が経験する一般的なアレルギーです。


2. 皮膚の症状

症状:かゆみ、赤み、発疹、湿疹
原因となるアレルゲン:食物(卵、乳製品、小麦など)、化学物質(洗剤や化粧品)
具体例:アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下やアレルゲンとの接触が引き金になります。




3. 目の症状

症状:目のかゆみ、充血、涙
原因となるアレルゲン:花粉、ペットの毛
具体例:花粉症によるアレルギー性結膜炎は、目のかゆみや涙の増加を伴います。


4. 呼吸器の症状

症状:咳、息苦しさ、ぜん鳴(ゼーゼー音)
原因となるアレルゲン:ダニ、ハウスダスト、動物の毛
具体例:気管支喘息は、呼吸器の炎症が関与する慢性的なアレルギー症状です。


5. 消化器の症状

症状:腹痛、下痢、嘔吐
原因となるアレルゲン:特定の食物(ピーナッツ、エビ、そばなど)
具体例:食物アレルギーは、摂取後数分から数時間で急激に症状が現れることがあります。





アレルギーの原因とは?

1. 環境要因

室内環境:ダニやハウスダスト、ペットの毛が主要なアレルゲンとなることがあります。
屋外環境:花粉や大気汚染物質がアレルギー反応を引き起こす場合があります。


2. 食生活

食物アレルギーは、特定の食品に対する免疫反応が原因です。幼少期に発症するケースが多いですが、成人してから発症する場合もあります。


3. 遺伝的要因

両親のどちらかがアレルギー体質の場合、子どもにもアレルギーが現れる可能性が高まります。


4. 免疫システムの異常

免疫システムが過剰に反応することで、アレルギー症状が引き起こされます。


アレルギー症状の対処法

1. アレルゲンを避ける

花粉症の場合:花粉の多い季節には外出を控える、マスクやメガネで防御する。
ダニやハウスダストの場合:寝具やカーペットの定期的な掃除を徹底する。


2. 薬物療法

抗ヒスタミン薬:かゆみや鼻水を軽減。
ステロイド薬:炎症を抑える。
吸入薬:喘息など呼吸器症状を和らげる。


3. アレルゲン免疫療法

アレルゲンを少量ずつ体内に取り入れ、免疫システムを慣らす治療法。根本的な改善を目指すことができます。


4. 食事療法

食物アレルギーの場合は、医師の指導のもとアレルゲンを含まない食事を選びましょう。


アレルギー症状に関するよくある質問

Q1: アレルギー症状が急に悪化した場合、どうすればいいですか?

A: アナフィラキシーなど重篤な症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼び、エピペンを所持している場合は使用してください。


Q2: アレルギー症状を予防する方法はありますか?

A: アレルゲンを避ける生活習慣を心がけることが基本です。また、免疫力を高めるバランスの取れた食事や適度な運動も予防に役立ちます。


Q3: アレルギー体質は治りますか?

A: 完全に治ることは難しいですが、適切な治療と予防策を実施することで症状をコントロールすることが可能です。近年はスギ花粉やダニアレルギーに対しての舌下免疫療法という完治を目指した治療法も主流になってきており、大きな効果が得られています。


まとめ

アレルギー症状は、原因や体質によってさまざまな形で現れます。適切な知識を持ち、アレルゲンを避ける努力や治療を行うことで、症状を軽減し快適な日常を送ることができます。症状が重い場合は早めに専門医を受診し、適切な治療を受けましょう。


当院での取り組み

当院でもアレルギー症状に関連する各種検査や、抗アレルギー薬の調整、舌下免疫療法等行っております。お困りの方は受診をご検討ください。


執筆者兼監修者プロフィール

上原武晃

湘南リウマチ膠原病内科

院長 上原 武晃

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