茅ヶ崎、辻堂、藤沢｜湘南リウマチ膠原病内科

はじめに：更年期とリウマチの関係性

更年期は、特に女性にとって体と心に大きな変化をもたらす時期であり、ホルモンバランスの変化がリウマチ発症に関連する可能性も考えられています。更年期には関節痛やこわばりなどの症状が現れることがあり、リウマチと症状が似ているため注意が必要です。本記事では、更年期にリウマチの発症リスクが高まる理由や、症状の見分け方、予防や対策について解説します。

更年期とは？リウマチとの関連

更年期の概要

更年期は、女性の閉経を挟んだ前後10年程度の期間を指し、特に45歳から55歳の間に見られることが多いです。この時期には女性ホルモン（エストロゲン）が急激に減少し、自律神経や免疫系に影響を与え、さまざまな身体・精神的な症状が現れることがあります。

リウマチとは？

リウマチは、免疫システムの異常によって健康な関節が攻撃され、炎症が生じる自己免疫疾患です。関節の痛み、腫れ、朝のこわばりといった症状が特徴で、症状が進行すると関節の変形や機能障害が引き起こされることもあります。

更年期とリウマチの関連性

更年期にリウマチの発症リスクが高まる理由の一つとして、エストロゲンの減少が挙げられます。エストロゲンは免疫系に影響を与え、炎症を抑える役割も果たしています。更年期でエストロゲンが減少することで、免疫系のバランスが崩れやすくなり、リウマチを発症するリスクが高まる可能性があるのです。

更年期とリウマチの症状の見分け方

更年期障害の症状

更年期障害の主な症状には、ほてり、発汗、動悸、イライラ、不眠、疲労感、関節の痛みなどがあります。これらの症状はホルモンバランスの変化に伴い、特に夜間や朝方に強く現れることがあります。

リウマチの初期症状

リウマチの初期症状には、関節の痛み、腫れ、こわばりが含まれます。特に朝起きたときに関節が硬く感じる「朝のこわばり」がリウマチの特徴で、30分以上続くことが多いです。関節の症状は左右対称に起こる方が比較的多いとされています（左右片側だけの場合もあります）。

症状の重なりと見分け方

更年期障害とリウマチの症状は似ている部分もありますが、朝のこわばりや関節の痛みが長時間続いたり、左右対称に痛む場合はリウマチの可能性があるため、専門医による診断が必要です。

更年期のリウマチリスクを高める要因

ホルモンバランスの変化

エストロゲンの減少は免疫システムのバランスを乱し、自己免疫反応を引き起こしやすくします。そのため、更年期にはリウマチを含む自己免疫疾患のリスクが高まると考えられています。

ストレスと睡眠不足

更年期には精神的なストレスや不眠が増えることが多く、これも免疫系に悪影響を与える要因となります。ストレスや睡眠不足は炎症反応を悪化させるため、リウマチリスクを高める可能性があります。

運動不足

更年期になると、体力や筋力が低下しやすくなり、運動不足に陥りがちです。運動不足は筋力低下だけでなく、関節の柔軟性も低下させ、リウマチの発症や症状悪化の一因になることがあります。

更年期のリウマチ予防と対策

健康的な食生活

エストロゲンに似た働きをする「イソフラボン」を含む大豆製品を積極的に取り入れることで、ホルモンバランスの調整をサポートできます。また、抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸（魚類、亜麻仁油など）や、ビタミンC、ビタミンD、カルシウムを含む食品もおすすめです。

適度な運動

ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、関節に負担をかけない運動を継続的に行うことで、リウマチの発症リスクを抑えられます。運動は関節の柔軟性を保ち、筋力を強化することで、体のバランスを整えるのに役立ちます。

ストレス管理

更年期にはストレスが溜まりやすく、免疫系に影響を与えることがあります。リラックスできる時間を持ち、ヨガや深呼吸、趣味の時間などを通じて心の健康を保つことが、リウマチ予防にも効果的です。

睡眠の質を向上させる

良質な睡眠は、ホルモンバランスや免疫機能の調整に重要です。規則正しい生活リズムを保ち、寝る前にはリラックスする習慣を取り入れることで、睡眠の質を高めましょう。

リウマチの早期発見と更年期における受診の重要性

定期的な自己チェック

更年期に関節の痛みやこわばりを感じたら、自己チェックを行うことが大切です。特に朝のこわばりや左右対称の痛みが見られた場合は、リウマチの兆候である可能性があるため、早めの受診を検討しましょう。

専門医による診断のすすめ

リウマチは早期発見が非常に重要です。症状が軽度な段階で治療を開始することで、症状の進行を抑えることが可能です。更年期の時期にリウマチが疑われる症状が現れた場合は、リウマチ専門のクリニックでの診断を受けることをおすすめします。

更年期とリウマチに関するよくある質問

更年期障害とリウマチの症状を見分けるポイントは？

更年期障害はホルモンバランスの変化により、全身のさまざまな症状を引き起こしますが、リウマチは特に関節の痛みやこわばりが長時間続く点が特徴です。自己判断が難しい場合は、専門医の診断を受けましょう。

更年期にリウマチが発症しやすい理由は？

更年期にはエストロゲンが減少し、免疫系のバランスが崩れることで、リウマチのような自己免疫疾患のリスクが高まる可能性があります。

リウマチと診断された場合、更年期の治療と併用しても大丈夫ですか？

リウマチと更年期の治療を併用する場合は、必ず医師に相談しましょう。リウマチの治療には免疫抑制剤や抗炎症薬などが使用されるため、更年期治療薬と相互作用の確認が必要です。合併する膠原病などがある場合にも医師と連携して最適な治療プランを立てることが重要です。

更年期のリウマチ予防には何が効果的ですか？

健康的な食生活、適度な運動、ストレス管理、十分な睡眠が効果的です。エストロゲンと似た作用を持つ大豆イソフラボンを含む食品や、抗炎症効果が期待できるオメガ3脂肪酸を取り入れることもリウマチ予防に役立ちます。

まとめ

更年期にはホルモンバランスの変化により、リウマチの発症リスクが高まることがあります。エストロゲンの減少やストレス、生活習慣の変化が関節に影響を与えるため、リウマチと更年期の症状が重なることもあります。予防や症状の緩和には、適切な食事や運動、ストレス管理が効果的です。
また、リウマチは早期発見が鍵となるため、更年期に関節の痛みやこわばりが続く場合は専門医を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。自分の体と向き合い、必要なときには医師と相談することで、健康的な更年期を過ごし、リウマチリスクを軽減しましょう。

執筆者兼監修者プロフィール

湘南リウマチ膠原病内科

院長　上原 武晃

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