
痛風
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- 痛風ではないかと心配なかた、尿酸が高いと言われたかたへ
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皆さんは「痛風」という病気についてどのくらいご存じでしょうか?
「ビールの飲みすぎでなる病気」「とにかく足が痛くなる病気」というイメージを持たれる方が多いと思います。
確かにその通りですが、痛風は単なる関節炎ではなく、生活習慣病の一つとして考えるべき病気です。
放置すると、腎臓病や心筋梗塞、脳卒中など、命に関わる病気のリスクを高めることもあります。
この記事では、- 痛風の原因
- 発作の症状
- 生活習慣との関わり
- 予防法と治療法
- 当院でできる診療
を詳しく解説し、患者さんが安心して「予防と治療」に取り組めるようになることを目指します。
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- 痛風とはどんな病気?
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痛風は「高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)」が続いた結果として起こる関節炎です。
血液中に尿酸がたまり、結晶となって関節に沈着すると炎症を引き起こします。痛風の特徴
- 発作は突然起こる
- 足の親指の付け根(母趾MTP関節)に多い
- 激しい痛みで歩けないほどになる
- 数日から1週間で自然におさまることもあるが、再発しやすい
つまり、痛風は「尿酸値が高い」という体質と、「生活習慣の乱れ」が重なって起こる病気といえます。
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- 尿酸とは?
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尿酸は、体の中で「プリン体」という物質が分解されてできる老廃物です。
- プリン体は食事(肉・魚・アルコールなど)に含まれる
- また、体内の細胞が壊れるときにも生じる
- 通常は腎臓から尿に排泄される
ところが、
- 作られる量が多すぎる
- 排泄がうまくいかない
このどちらか、もしくは両方があると尿酸が体にたまり「高尿酸血症」となります。
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- なぜ生活習慣と関係が深いのか
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尿酸がたまる原因には、日常の生活が大きく関わっています。
食生活
- プリン体を多く含む食品:レバー、魚卵、肉類
- ビール、日本酒などのアルコールは尿酸値を上げやすい
飲酒
- アルコールそのものが尿酸の排泄を妨げる
- 特にビールはプリン体も多く「ダブルパンチ」
肥満
- インスリン抵抗性が強まり、尿酸が体にたまりやすくなる
- 代謝異常の一部として「メタボリックシンドローム」と深い関わり
運動不足・ストレス
- 代謝バランスの乱れ
- 脱水による尿酸濃度上昇
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- 痛風の症状
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典型的な症状
- 足の親指が真っ赤に腫れて激痛
- 夜間や早朝に起こることが多い
- 患部が熱を持ち、布団が触れるだけでも耐えられない
放置するとどうなる?
- 痛風結節(皮膚の下に尿酸の塊ができる)
- 慢性関節炎
- 腎障害や尿路結石
合併症
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 動脈硬化(心筋梗塞や脳梗塞のリスク上昇)
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- 痛風の診断
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1. 血液検査:尿酸値の測定(7.0 mg/dL以上で高尿酸血症)
2. 尿検査:尿酸の排泄量をチェック
3. 画像検査:関節エコーで尿酸結晶を確認
4. 関節液検査:尿酸結晶を顕微鏡で確認
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- 痛風の治療
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急性発作時
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
- コルヒチン
- ステロイド(内服や関節内注射)
発作予防・再発防止
- 尿酸降下薬の内服(アロプリノール、フェブキソスタットなど)
- 尿酸排泄促進薬(ベンズブロマロンなど)
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- 生活習慣の改善
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食事
- プリン体の多い食品を控える(内臓、魚卵、干物など)
- 野菜、海藻、乳製品を積極的に
- 甘いジュースも控える(果糖が尿酸を増やす)
飲酒
- ビールや日本酒は控える
- 焼酎やワインは比較的影響が少ないが、飲みすぎは禁物
水分
- 1.5~2L/日を目安に水分摂取
- 水やお茶でこまめに補給
運動
- 有酸素運動(ウォーキング、スイミングなど)を習慣化
- 急激な筋トレは尿酸を上げる可能性あり
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- 痛風予防チェックリスト
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食生活
飲酒
水分補給
体重・運動
健康管理
☑5個以上チェックがつかない場合は要注意!
生活習慣の改善が必要かもしれません。
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- 当院でできること
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当院では「痛風や高尿酸血症の診療」として以下を行っています。
- 尿酸値チェックと血液検査、関節エコー
- 急性発作時の迅速な治療
- 尿酸降下薬の適切な処方と副作用管理
- 医療スタッフによる生活習慣指導
- その他の関節痛を起こす病気との鑑別
他の病気の可能性がないかを含めた正確な痛風の診断と、患者さん一人ひとりの生活背景に合わせ、無理なく続けられる治療を一緒に考えていきます。
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- まとめ
- 激しい痛みが出る
- 繰り返す
- 放置すると合併症が進む
- 「最近、尿酸値が高いと言われた」
- 「関節が腫れて歩くのもつらい」
痛風は「尿酸がたまること」で起きる関節炎であり、生活習慣病の一つです。
しかし、早めに治療を始め、生活習慣を見直せば、再発を防ぎ、健康的な生活を取り戻すことができます。
そんなときは、ぜひ当院にご相談ください。
痛風の治療は"未来の健康への投資"です。
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